先日、知人の女性が自死した。
同居していた高齢の母親の死が、自死を選択するきっかけとなった。
そのことに対し、関係者達と話し合いの場がもたれた。
「何かフォローできたのでは…」と…。
フォローできたのかもしれない。
しかし、母親が去ったこの世界でこれから何十年と生き続けることは
彼女にとって絶望であり、母親の元へ旅だつことが幸せな選択であったのであろう。
死を選択する(できる)その瞬間は、死ぬ勇気が勝った時だ。
生きていると、「もう死にたい…」と思う瞬間は何度かある。
しかし、絶望の淵で命を絶つことができないのは
残された家族や、知人たちの気持ちがわかるからだ。
残された人々は、心に重くのしかかった十字架を抱えて生き続けていかなければならない。
病死、事故死、災害死…
人の死は、その人をとりまく人々の人生を左右する出来事だ。
その中でも自死は、ぬぐい切れない心の痛みと後悔が続く。
何年経ってもだ。
自死を選択する時は、心が壊れている時だろう。
なぜ気が付くことができなかったのか…悔やんでも悔やみきれない。
自死を選ぶことしか方法がなかった当人も辛いが、
残された人たちは、一生辛い。
大切な人たちの心と人生に大きな傷を残して自死することは、あなたにとって幸せなのだろうか?
私自身、心が壊れきる前に自分自身に問いかけよう。
私は、今も心に十字架を背負って生きている。
そして、辛い…。